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カタコンベ 神山裕右 [書籍 ミステリー]
2004年8月6日 第一刷発行
第50回江戸川乱歩賞受賞作
カタコンベ 神山裕右
あらすじ
新潟の人に知れずに存在していた奥まった広い竪穴洞に調査チームが探検する。
しかし大雨による土砂崩れで入口が塞がれ外部と交信の取れなくなった先発隊に水没の危機が襲う。
後に到着した東馬亮は先発隊に自分の命の恩人の娘水無月弥生が参加してたことを知り命をかけて救助に向かう。
水没までのタイムリミットが近づく中、漸くのおもいで弥生達に合流するもメンバーの中に裏切り者がいて、過去の自分の犯罪を隠すため他のメンバーを亡きものにしよと試み一行をピンチに追い詰める・・・・
独自評価 3(普通)
この本は冒頭の部分が面白かったです。そもそもケイビング(洞窟探検)という馴染みのない行為に人跡未踏と思われる広く深い竪穴洞、絶滅したはずの日本オオカミと思われる生き物の存在。
全てが現実からかけ離れており想像力と好奇心を駆り立てて面白いと思いました。
しかしストーリーには大分無理があると思いました。
状況設定があまりにも出来すぎていたやはり虚構の作に過ぎずないと興ざめしてしまうところがありました。
フィクションというのは現実世界の非現実、或いは非現実世界の現実を見るのが面白いのであってこのように非現実世界の非現実というのはなさそうでない話だからかえって興ざめしてしまうのですね。
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